
Xavier Maseroは、絵画、彫刻、陶芸、映像、ランド・アート、パフォーマンスなど、多様な領域で活動するアーティストである。自然、時間、物質の変化を見つめ、秩序と混沌のあいだに生まれる緊張を表す作品をスペインを中心に欧州各地で発表し、2025年には大阪のBI-DAMAS Galleryでの「Book’s Art」に参加。2026年9月には浄厳院で滞在制作を行った。
Xavier Masero
シャヴィエ・マセロ
スペイン

⬤ 2026年の出品作品
EL LLIBRE DE LLEVANT - EL LLIBRE DE PONENT, 2026(紙にインクと圧縮木炭、木製パネルにマウント/80×160cmのパネル12点、全体960×160cm/企画・描画:Xavier Masero)
⬤ アーティストについて
「起源への回帰」は、我々人間を含む多くの種に共通する衝動です。起源とは単なる「始まり」を指すものではなく、旅路の全行程を通じて我々に寄り添い、足場と意味をもたらすものです。シャヴィエ・マセロにとって、この循環的な動きは単なる比喩ではなく、一つの「手法」です。彼は自らの足跡を繰り返し辿り直すことで、経験を問い直し、進むべき方向を再定義します。画家、彫刻家、陶芸家、映像作家、ランド・アーティスト、そしてパフォーマーとして多岐にわたる活動を行うマセロは、自らを「好奇心旺盛なアウトサイダー」、すなわち「物事の観察者」と称し、現実の中に潜む微かな緊張感に目を向けています。
その制作活動は、本質的な要素以外を削ぎ落とした構造的な明快さを持ち、骨組みのように簡潔でありながら、自然界の有機的な論理に 深く呼応しています。多様な媒体を通じて展開される彼の作品は、静止した物質と表現的な身振り、あるいは幾何学的な秩序の力とカオスの解放的なエネルギーとの間で、絶え間ない緊張関係を保っています。マセロは全体像を提示するのではなく、成長や浸食、変容を予感させる断片――部分的な形態――に焦点を当てます。それらの断片において、自発的な自然の力は存在の空虚さに抗うかのように現れ、絶えず変化する形態の中で再生を求め、静かに「時は過ぎ去る(tempus fugit)」という摂理に挑みます。
安易な表現に甘んじることなく、時に意図的に生のままの質感を残す彼の作品は、装飾を排することで、美と残酷さ、調和と断絶の間に横たわる脆い境界線を露わにします。マセロの世界観においては、起源と目的地が最終的に重なり合うこともあるでしょう。しかし、その合一は、旅そのものを実践すること――物質、時間、そして不確実性の中を通り抜け、再発見された「回帰点」へと向かうこと――によってのみ理解し得るものなのです。
⬤ 略歴
1966 バルセロナ、カタルーニャ生まれ
2024 「Bodies #2」(IntoGallery/ベルリン)/「Vulnus」(Galeria Bartumeus/バルセロナ)/「Viatge a l’interior」(Espai Guinovart/アグラムント)/「Vincles」(Galeria Marges U/カダケス)/「El gran himno」(Patio de Santa Cruz/バリャドリッド)/「Tan cerca, tan lejos」(MUVa/バリャドリッド)/「Tan a prop, tan lluny」(Càntir d’artista/アルジェントナ)/「Si proche, si loin」(Hôtel de Ville/セイックス・フランス)/「La mar al mar」(Bergantí Sirius/アレニス・デ・マール)/「From Catalunya」(Centre Cultural/大原・京都)/「Hivern」(Galeria Marges U/カダケス)
2025 「Book’s Art」(BI-DAMAS Gallery/大阪・日本)
2026 「Profà」(Centre de cultura/セルベリョ)/「Duets」(BCN ARTS CLUB/バルセロナ)/「REAL」(浄厳院/安土・日本)
