
滋賀・安土の浄厳院で生まれ育った僧侶・美術作家。執着を抱えたままの救いを美術に求め、何者かになろうとする人の姿を作品に表しています。自身の寺で浄厳院国際芸術祭を運営し、この場所から美術を発信しています。
● Q1 自分を動物に例えると?
動物占いでは狼。電子レンジの回転台をぼーっと眺めるのが好きなタイプだそうで、はい、そのとおり。制作でも無心の単純作業と、作品が完成する瞬間が幸せです。

● Q2 作品のオススメポイントは?
背景はキラキラ反射する素材で、近づくとあなたの顔も映り込むはず。モチーフに加え、普通の絵画や彫刻とは異なる不思議な感覚もオススメです。

● Q3 コツコツ派?締切前の奇跡を信じる派?
理想はコツコツですが、浄厳院の僧侶として、毎回つい仏の奇跡にすがってしまいます。

● Q4 人生にとって作品づくりとは?
作品は私にとって幻のような存在です。うまくいかない人生のなかで、独自の美術に、大衆のための仏教とは別の救いや悟りがあるのではと、今も執着しています。

● Q5 今回の作品に満足していますか?
満足はしていません。進歩もありません。でも、それが今の自分のリアルで、それ以上にしようとすると、かえって違うものになる気がします。

勝山 信隆
日本

● メッセージ
私はこの浄厳院で生まれ育ち、僧侶になりました。けれど、執着を手放すより、自分だけの作品で世に認められたいのです。仏教には叶えられない、執着を抱えたままの救いを、美術に求めています。
誰もが自分を発信し、他者の反応で自らの価値を確かめようとする時代です。自分らしさを求めながら、その価値を他人に委ねてしまいます。私自身、独自の作風も、思い描いた暮らしも築けず、怠惰に流されながら、承認欲求だけは手放せずにいます。
「なりそこない」では、なにものかになろうとする人の姿を、不安定な造形で表しています。それをつくる私もまた、この情けなさごと、誰かに認めてほしいのです。
● 略歴
1980 滋賀県安土浄厳院生まれ
2003 京都市立芸術大学美術学部美術学科版画専攻卒業(京都)
2008〜2016 個展/Gallery Ami-Kanoko(大阪)
2009 個展「“Golden Memories” 金色の記憶」raven studio& gallery(USA)
2009 グループ展「緑展」スペース御蔵跡(大阪)
2010 個展「A sense of Evanescence」IMALY FINE ART(USA)
2010 個展「Azuchi Momoyama」ハイアットリージェンシー(大阪)
2010 グループ展「Exchanges:Ithaca Osaka」The InkShop PrintMaking Center(USA)
2012〜2014 WORK 21c ART FESTIVAL(韓国)
2014 個展/校洞美術館(韓国)
2021〜2026 グループ展「ハンビラキ」(大阪)
パブリックコレクション/京都市立芸術大学(京都)