
長浜国際芸術祭2025 開催報告

はじめに
滋賀県長浜市で初めて開催された「長浜国際芸術祭2025」。
会場となったのは、明治時代に建てられた由緒ある迎賓館「慶雲館」です。かつて明治天皇の行幸を迎えるために造られた歴史的建物で、普段は庭園とともに市民や観光客に親しまれています。
その慶雲館が今回、現代アート美術館に姿を変え、国内外のアーティストと地域の人々が出会う特別な舞台となりました。

アーティスト・イン・レジデンス
今回の芸術祭の大きな特色は、アーティスト・イン・レジデンスです。
芸術祭での発表に向けて海外を含む参加アーティストたちは長浜市内に滞在し、共同生活を送りながら創作を行いました。
一緒に食事をし、地域を歩き、時には互いのアイデアを語り合う日々。こうした時間から自然に交流が生まれ、作品にも長浜の空気が溶け込みました。

たくさんの驚きが長浜に集結
イギリス、イタリア、スペイン、日本などから11名の芸術家が参加し、約40点の作品を展示しました。
和紙を使った造形作品や仏像をモチーフにした作品、タペストリーや屏風を使った空間展示など、普段は長浜で出会えない前衛的な作品が並びました。



子どもたちとのワークショップ
期間中には、地域の子どもたちを対象にした体験交流ワークショップも開催。
海外アーティストの指導のもと、絵の具などを使った作品づくりに挑戦しました。
「言葉が通じなくても、アートを通して気持ちが伝わるのが楽しい!」と子どもたちの笑顔があふれるひとときとなりました。




アーティストの声
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ヘティ・レイコックさん(英国)
「滞 在中に集めた木の葉を使い、自然と向き合いながら新しい造形に挑戦できました」 -
ペップ・カンプスさん(スペイン)
「長浜の山や田園風景に感銘を受け、和装デザインを取り入れた作品を描きました」

市長からのメッセージ
長浜市長は開会式でこう語りました。
「この芸術祭は、長浜の文化や歴史に誇りを持ちながら、国内外の人々と交流し、新しい価値を一緒に生み出す場です。長浜をさらに魅力ある街に育てていきたい」

主催者からの思い
芸術祭を企画した「AT ARTS」代表・西村のんきさんは、
「国際情勢が不安定な時代だからこそ、芸術で国境を越えた交流を育むことが大切。異なる視点の作品を通して、互いを知り合うきっかけになれば」
と振り返っています。

音楽と文化交流
土日には中国やカナダ、イギリス、ポーランドの音楽家によるミニコンサートも開かれ、芸術と音楽が融合した時間を楽しむことができました。
会場は国際色豊かな文化交流の場として大いに賑わいました。

来場者の声
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「長浜で世界のアートを体験できるなんて新鮮」
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「アーティストと直接話せて作品の背景を知ることができた」
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「子どもが一緒にアートを作る体験を楽しんでいたのが嬉しかった」


次回への期待と浄厳院へ
今回の芸術祭で展示された作品の多くは、姉妹芸術祭である「浄厳院国際芸術祭」でも披露されます。
長浜で育まれた交流と作品が、次の舞台へとつながっていくのです。
次回開催への期待も高まり、「また訪れたい」という声が多く寄せられました。
