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浄厳院アーティストinレジデンスと体験交流会の公式ロゴ

アーティストinレジデンス2025レポート

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1.海外からの到着と温かな歓迎

スペインとポーランドからアーティストが到着。浄厳院で檀家さんとの顔合わせが行われ、緊張の中にも拍手と笑顔があふれました。40名ものアーティストが参加する浄厳院国際芸術祭には、彼らのように現地に滞在して制作する外国人の作品も含まれます。さあ、ここから1か月にわたる滞在制作が幕を開けます。

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2. 食卓で育まれる交流

到着直後から、食卓は国際交流の舞台になりました。最初の晩ごはんから始まり、たこ焼きパーティー、僧侶とアーティストで囲んだパエリアまで。国境も世代も超えて笑い合う食卓には、自然と絆が生まれていました。

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3. 太鼓の響きに心躍らせる交流会

地域の子どもたちや住民とともに「あづち信長出陣太鼓」の演奏会&体験。初めての和太鼓にアーティストたちは目を輝かせ、夢中でバチを振りました。会場は笑い声と歓声で満ち、中日新聞にも記事として紹介されました。

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4. ユイスの制作風景 ― 写真で語る創作の喜び

スペインから参加したユイスさんは、青写真を取り入れた独自の作品を構想中。制作の様子をこまめに撮影し、SNSに投稿しては嬉しそうに解説をしてくれます。その姿は「この場所で創作できる喜び」を素直に伝えており、レジデンスの雰囲気を明るくしてくれています。

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5. 地域に根ざす制作の始まり ― カシアの古着エピソード

ポーランドから来たカシアさんは、地域の住民から古着を譲り受け、その布を素材として制作を進めています。遠い国から来たアーティストと、地域の方の日常がひとつに重なる瞬間は、このレジデンスの大きな意義そのものです。古着に宿る時間や記憶を作品に取り込むことは、地域との協力が形になった証でもあります。

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6. 古い中庭に命を吹き込む ― ユック&アンナのインスタレーション

ユックさんとアンナさんの二人は、普段は解放されていない古い中庭に着目しました。荒れた空間に自生する木や植物に寄り添うように作品を配置し、自然と建物の時間の層を重ね合わせるインスタレーションを制作。これまで展示に使われなかった場所が新たな舞台へと変わり、芸術祭のエリアを広げる意義深い試みとなりました。

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7. 押し花が紡ぐ世界の対話 ― アンジェルスの収集と創作

後から合流したアンジェルスさんは、スペインやヨーロッパ各地で採取した植物に加え、浄厳院の草花も押し花にして収集しました。それらを国や地域ごとにファイルし、モダンな絵画のようにレイアウト。押し花ひとつひとつが文化や土地の記憶を運び、国際的な対話のような作品へと形づくられています。

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8. 滋賀での小さな発見

滞在中のアーティストたちは、日常の中でも驚きや感動を見つけてきました。

 

  • うどんのチェーン店で麺打ちを目にし「初めて見た!」と歓声。

  • 長浜・孤蓬庵では、襖絵や禅語の解説に感動し、真剣に耳を傾けました。

 

こうした小さな体験も、作品づくりの大切な養分となっています。

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9. 体験交流会① ― 叩き染めと写真転写

地域の参加者とともに、自然の草花を使った「叩き染め」や木片への写真転写を体験しました。参加者からは「きれい!」「すごい!」と歓声があがり、出来上がった作品は芸術祭で展示されます。

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10. 体験交流会② ― 青写真づくり

葉を使ったシアノタイプの青写真づくりでは、液体につけた用紙が鮮やかな青に変化する瞬間に拍手が起こりました。科学と自然が重なり合う神秘的な体験を、子どもから大人まで一緒に楽しむことができました。

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11. 楽しいひとコマ ― コメディ動画撮影

真剣な制作の合間に、アーティストたちはアトリエを舞台に宣伝用のコメディ動画を撮影。ノリノリで演じるその姿は、作品制作とは違う一面を見せ、滞在がいかに豊かで楽しい時間だったかを物語っています

12. アーティスト紹介 ― 参加メンバーのプロフィール

ここまで制作の様子や交流の風景をご紹介してきましたが、今回のレジデンスに参加しているアーティストたちの背景を知ることで、作品への理解もより深まります。ここでは、各アーティストのプロフィールをご紹介します。

浄厳院アーティストinレジデンス参加作家アンジェルス・ヴィラドミウによる植物モチーフのアート作品
アーティストのアンジェルス・ヴィラドミウの顔写真、浄厳院アーティストinレジデンス参加作家

アンジェルス・ヴィラドミウ

(Àngels Viladomiu/スペイン)
 植物モチーフを取り入れた平面作品。自然の形や色彩を生かした静かな表現が特徴です。

浄厳院アーティストinレジデンス参加作家カタジナ・ポドゴルスカ=グロンティによるテキスタイルと写真を組み合わせたインスタレーション作品
ポーランド出身のアーティスト、カタジナ・ポドゴルスカ=グロンティの顔写真

カタジナ・ポドゴルスカ=グロンティ

(Katarzyna Podgórska-Glonti/ポーランド)
 空間を意識した展示、インスタレーション、写真など多様なメディアを用いるアーティスト。その場の文脈や時間を活かした作品を展開します。

浄厳院アーティストinレジデンス参加作家リュイス・エストピニャンによる写真と絵画技法を組み合わせたアート作品
浄厳院アーティストinレジデンス参加作家リュイス・エストピニャンのポートレート写真

ユイス・エストピニャン

(Lluís Estopiñan/スペイン)
 写真と絵画技法を組み合わせたコラージュ的表現。記憶や時間をテーマに、古い写真やネガを素材にした独自の作品世界を築いています。

浄厳院アーティストinレジデンス参加作家リュク・ケラルト&アンナ・サラスが手がけた空間インスタレーション作品
スペイン出身のアーティスト、リュク・ケラルトの顔写真
スペイン出身のアーティスト、アンナ・サラスの顔写真

ユック・ケラルト & アンナ・サラス

(Lluc Queralt & Anna Salas/スペイン)
 共同で制作する空間インスタレーション。会場全体を作品に変えるダイナミックな表現で、新しい体験を生み出します。

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13. 西の湖サンセットクルーズ ― 屋形船で過ごす夕暮れのひととき

アーティストinレジデンスの締めくくりとして、安土にある琵琶湖の内湖「西の湖」の屋形船で食事会を行いました。

ゆるやかに流れる水面を進みながら、夕日に染まる空と湖の輝きを眺め、アーティストたちは一か月の創作と交流の日々を振り返ります。

船上では、「ちゃんちゃん焼き」を前に、笑顔と歓声があふれる穏やかな時間に。

この夕暮れのひとときは、まもなく始まる芸術祭での発表へとつながる、創作のエネルギーと温もりに満ちたフィナーレとなりました。

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まとめと芸術祭のご案内

こうして浄厳院でのレジデンスは、地域の人々との出会いや文化交流を通じて、かけがえのない時間を育んできました。

彼らの成果は、10月25日~11月23日に開催される 「浄厳院国際芸術祭2025」 で公開されます。ぜひ現地で、アートと地域が交わる瞬間を体感してください。

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